30代図書館司書です。私の趣味はスカイダイビング。静かな図書館と青い空。一見、相反するこの二つの世界が、私の人生を形作っています。
幼少期~大学時代
物心ついた頃から、私は本が大好きでした。両親が読み聞かせてくれる絵本の世界に魅了され、やがて自分で読めるようになると、図書館に通い詰めるようになりました。特に冒険物語が大好きで、主人公たちと一緒に未知の世界を探検している気分になれるのが何よりも楽しかったんです。
でも、現実の私はおとなしい子供でした。運動は苦手で、休み時間も教室の隅で本を読んでいることが多かったんです。先生や両親は心配そうでしたが、私にとっては本の世界こそが安らぎの場所。その頃は、まさか自分が後にスカイダイバーになるなんて、夢にも思いませんでした。
中学生になって、私の世界は少し広がりました。文学部に入部し、同じ本好きの仲間たちと出会えたんです。でも同時に、何か物足りなさも感じ始めていました。本の中の冒険は素晴らしいけれど、現実の世界にも、もっと触れてみたい。そんな気持ちが芽生え始めたんです。
そんな時、偶然テレビでスカイダイビングの特集を見ました。青い空を自由に落下していく人々の姿に、私は釘付けになりました。「あんな風に空を飛べたら、どんなに素敵だろう」。その思いは、単なる憧れを超えて、強い欲求になっていきました。
でも、その頃の私にはまだ勇気がありませんでした。「私なんかには無理だ」そう思い込んで、その気持ちを押し殺していたんです。代わりに、空や飛行機、パラシュートに関する本をむさぼるように読みあさりました。知識を得ることで、少しでも空に近づけた気がしたんです。
高校に入学してからも、私の本好きは変わりませんでした。むしろ、より深く文学の世界にのめり込んでいきました。そして、将来は図書館で働きたいという夢も、はっきりと見えてきたんです。
でも同時に、あの空への憧れも大きくなる一方でした。友達と遊びに行った遊園地で、高いジェットコースターに乗った時のこと。最初は怖くて目を閉じていたのに、頂上から一気に落下する瞬間、思わず目を開けてしまったんです。そして、その景色に魅了されました。一瞬でしたが、まるで空を飛んでいるような感覚。「ああ、これだ。私が求めていたのは、この感覚だったんだ」
その日から、私は決意しました。いつか必ず、本当の空を飛んでみせる。スカイダイビングをする。その思いは、私の中で固く、そして大きく育っていきました。
大学では図書館情報学を専攻しました。本や情報を扱うことの面白さに、改めて魅了されました。でも同時に、あの空への思いも忘れていません。むしろ、その思いは日に日に強くなっていきました。
大学2年生の夏、ついに私は行動に移しました。アルバイトで貯めたお金を使って、初めてのタンデムスカイダイビングに挑戦したんです。心臓が飛び出しそうなほど緊張しましたが、飛行機のドアを開けた瞬間、すべての不安が吹き飛びました。
そして、飛び降りた瞬間。言葉では表現できないほどの自由と興奮を味わいました。地上に降り立った時、私の顔は涙でびしょ濡れになっていました。嬉し涙、感動の涙、そして解放の涙。「これが私の求めていたものだ」その確信が、心の底から湧き上がってきたんです。
その日から、私の人生は大きく変わりました。図書館で働くという夢は変わらず持ち続けていましたが、同時にスカイダイビングの技術を磨くことにも必死になりました。休日はスカイダイビングスクールに通い、平日は図書館でアルバイトをする。忙しい日々でしたが、充実感に満ち溢れていました。
社会人~現在まで
大学卒業後、私は念願の図書館司書として働き始めました。静かな図書館の中で、本や情報を整理し、利用者の方々をサポートする。その仕事に、心から喜びを感じていました。
でも週末になると、私は全く別の顔を見せます。スカイダイビングのギアを身につけ、高い空から飛び降りる。落下中の興奮と、パラシュートを開いた後のゆったりとした滑空。その感覚は、いつまでたっても飽きることがありませんでした。
最初は、この二つの世界を両立させることに戸惑いもありました。図書館の同僚たちは、私の趣味を知って驚いていましたし、スカイダイビング仲間は、私が平日は図書館で働いていることを不思議がっていました。
でも次第に、この二つの世界は私の中でうまく融合していきました。図書館で得た知識や情報処理のスキルは、意外にもスカイダイビングの技術向上に役立ちました。気象や空気力学の本を読み漁り、それを実際のダイビングに活かすことができたんです。
逆に、スカイダイビングで培った冷静さや決断力は、図書館での仕事にも良い影響を与えてくれました。突発的な事態や難しい要求にも、落ち着いて対応できるようになったんです。
週末は、インストラクターとしてスカイダイビングを教えることもあります。初心者の方々に、空の魅力を伝える。その喜びは、図書館で本の素晴らしさを伝える時と同じくらい大きいんです。
本が教えてくれた想像力と知識。空が与えてくれた自由と勇気。この二つがあるからこそ、私は自分らしく生きていけるんだと思います。
これからも、私は図書館司書として、そしてスカイダイバーとして、自分の道を歩んでいくつもりです。本の中の冒険を楽しみながら、現実の空でも冒険を続けていく。それが、私にとっての理想の人生なんです。
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