50歳食品工場勤務、母親の介護をしながら働く方のインタビュー

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1生い立ち

私は片親家庭で育ちました。父は私がまだ小さい頃に亡くなってしまい、その後は母一人で私を育ててくれました。母はとても強くて、どんな時も前向きに、私たち家族のために一生懸命働いてくれました。私たちの生活は決して楽ではありませんでしたが、母の愛情にはいつも溢れていました。

高校卒業後に中小企業の事務員になるも雰囲気に馴染めず、2年ほどで転職。その後もいくつか転職を繰り返し、現在私は50歳。実家近くの食品工場に勤務しています。今の仕事が性に合うのか今までで一番長く勤められています。実家を離れたことはありません。

2同居している母親について

私の母は75歳で、数年前に脳梗塞を患ってから、右半身に麻痺が残ってしまいました。それ以来、日常生活には多くの支援が必要となり、私は仕事を続けながら、母のお世話をしています。仕事も母へのサポートも大変ではありますが、やりがいがあり嬉しいです。仕事もしばらく安定せず、今までずっと母には世話になりっぱなしでしたので、少しでも恩を返せれば、と。

母は昔から家族思いで、私が子供の頃はいつも私のために美味しいご飯を作ってくれました。今はその役割が逆転して、私が母のために料理をしています。母の好きなアジフライを作る時、母の顔に浮かぶ嬉しそうな表情を見ると、何とも言えない幸せを感じますね。

介護は決して楽な仕事ではありませんが、母との時間を大切にしたいと心から思っています。母と同じ屋根の下で生活できることに感謝しており、できる限りのことをして、母が快適に過ごせるよう努めています。母との会話も、日々の小さな幸せの一つです。母の過去の話を聞くことで、私たちの絆も深まっていくように感じます。ずっと一緒に暮らしてたのに、意外と母のことって知らないもんなんですよね。これからもっと色々知れればいいなあ。

Qお母さんとの一番の思い出は?

私の一番の思い出は、母と一緒に地元のお祭りに行ったことです。その日は特別な日で、母が珍しく仕事を休んで、私たちだけの時間を過ごしました。朝から夜まで、お祭りの様々な屋台を巡り、食べ物を楽しんだり、ゲームに挑戦したりしました。

特に印象的だったのは、母が私のために金魚すくいをしてくれたことです。母は普段、そういった遊びにはあまり興味を示さないタイプでしたが、その日は私が楽しめるように一生懸命になってくれました。結果として、母は何匹かの金魚をすくい上げることができ、私たちは大喜びしました。その金魚は後に私たちの家で大切に飼って、長い子で3年くらいは生きてましたね。

その日の母の笑顔や、一緒に過ごした時間の暖かさは、今でも私の心に深く刻まれています。母と共有したシンプルだけど貴重な時間は、私にとってかけがえのない宝物です。母と手をつなぎながら歩いたお祭りの賑やかな雰囲気、それが私にとって最も大切な思い出の一つです。母の愛情を感じられた幸せな瞬間でした。

Qお母さんの介護をする上で大変なことは?

大変なことはいくつかあります。

母が杖を使って歩行が可能であることはありがたいですが、それでも日常生活でのサポートは欠かせません。

まず、常に注意が必要なのが転倒防止です。杖を使っていても、足元が不安定になることがあるため、家の中を歩くときは特に注意が必要です。床に敷物がずれていないか、小さな段差が問題になっていないかなど、細かくチェックし、安全な環境を維持することが求められます。

また、日々の生活の中で母が自立して行える範囲と、介助が必要な範囲のバランスを見つけることも重要です。母ができるだけ自分で行いたいと思うことに対しては、その意欲を尊重し支援する一方で、無理がないように見守る必要があります。

精神的な面でも、母と私の両方にとってストレスが大きくなることがあります。母は自分の体が思うように動かないことにフラストレーションを感じることがあり、私も母を十分に支えられているか、時には不安に思うことがあります。そのため、お互いにコミュニケーションを取りながら、感情を共有し理解し合うことが大切です。

このような日々の挑戦に対処するためには、適切な支援や地域の介護サービスを活用することも一つの方法です。時には専門家の助けを求めることで、精神的な負担を軽減し、より良い介護ができるようになります。母と共に過ごす時間がお互いにとって快適で幸せなものになるよう努力しています。

最後に

Qインタビューの最後に伝えたいことはありますか?読んでいる方や、家族友人など、誰に対してでも構いません。

今は私が母の面倒を見る立場になりましたが、母がこれまで私に注いでくれた愛情を少しでも返していけるように、日々精一杯生活しています。母のおかげで、私は人生の困難に立ち向かう力を持つことができました。母には感謝の気持ちでいっぱいです。私は母親へのサポートが一番身近で出来て本当によかったと思っています。ただ、親への介護に対する気持ちや金銭的な問題など、人によって様々あるかと思います。誰しもが納得いく介護ができるとは思いませんし、私たち親子もこの先どうなるかはわかりません。でも限られた選択肢の中で、なるべく皆様にとって良いものを選べるよう願っています。


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